IL NODO
イルノード

鎌倉食材の滋味を最大限に引き出す自然最優先の料理


60種類の食材を使った、縦横無尽のイタリア料理

「イル・ノード」は鎌倉の小町通から少し離れた閑静な住宅街にある。松井昭憲シェフは「サバティーニ青山」で研鑽を積み、地元鎌倉の地を新たなステージの出発点として選んだ。料理の端々からほとばしるのは、徹底した地産地消と素材への敬意。松井シェフ自ら毎日畑や漁港へ足を運び、その日最良の食材を選ぶためにメニューも料理も日替わり。自然任せのフルコースが「イル・ノード」のスタイルだ。コースで使用される食材は、鎌倉野菜だけでなく神奈川県内の多様な畑から届く大地の恵み、神経締めされた新鮮な魚介など、50種類以上にも及ぶ。

その哲学が最も色濃く表れているのがシグネチャー・ディッシュ「畑の様子」だ。これは自ら育てた野菜やハーブ、野草や市場に出回らない野菜の花など50種類もの植物が盛り込まれたインサラータだ。そこに渡辺農園の無農薬小麦で作ったタルト地を合わせ、バーニャカウダ、ズッキーニや焼きナスのペースト、発酵玉ねぎのヴィネグレットなど8種類のソースと藁の香り付け、フリット、グリルなど10種類の調理法で構築。非常に手の込んだインサラータである。

魚介類は「さかな人」長谷川大樹氏を全面的に信頼しており、神経締めしたタコは薄くスライスし、ピューレ、発酵、真空調理、チップ、パウダーとさまざな技法を凝らしたビーツ、平塚産オーガニックの薔薇、小田原産湘南ゴールドとあわせてある。夏のハモは衣をまとわせてフリットにし、発酵ジャガイモのビシソワーズピューレやピーマンの絞り汁、オカヒジキのフリットをそえる。

鎌倉名物の生シラスはカラブリアのローザマリーナに着想を得て、唐辛子を使わずに発酵させてソースに使用。焼きナスや自家栽培のコリアンダーシードのピクルスと合わせることで野菜プラスアルファの旨みを引き出してある。タコのスライス時に出る端肉はラグーにし、フレッシュトマト、万願寺唐辛子を合わせた、ストロッツァプレーティのアラビアータに。鮎は身、内臓、骨を全部使用してキタッラとともにペペロンチーノに仕立てる。伝統的なローマの名店「サバティーニ」出身でありながら、エミリア・ロマーニャの手打ち生パスタ「ストロッツァプレーティ」や「キタッラ」の食感を好み、技法に固執せず独自の味覚を追求している点も興味深い。ローマ料理「サバティーニ青山」出身だけどパスタは手打ちに惹かれると松井シェフ。古くはミシェル・ブラスの「ガルグイユ」、現在ならばエンリコ・クリッパの「インサラータ21…31…41…51…」と、自家栽培の野菜のみでを完成させたシグネチャーディッシュの名作に「畑の様子」が連なるのもそう遠くないかもしれない。


chef profile

松井 昭憲
AKINORI MATSUI

神奈川県出身。東京・青山の「サバティーニ青山」など都内のイタリア料理店で経験を積んだのち渡伊。帰国後の2018年に地元鎌倉に「イル・ノード」オープン。


INFORMATION

神奈川県鎌倉市小町2-6-12 くすの木443 2F 3号[google MAP🔗]
Tel:070-3322-8808
営業時間:ランチ12:00〜、ディナー18:00〜(いずれも一斉スタート)
定休日:月曜、火曜
※完全予約制
公式WEB