MORISHIRO
モリシロ
北海道・砂川の豊かな原生森が育む、薪火イタリアンの新機軸










札幌「TAKAO」高尾僚将シェフが料理を監修
新千歳空港から車を北へ走らせること約1時間半。かつて炭鉱の街として栄え、現在は豊かな自然と水に恵まれた北海道砂川市にある「MORISHIRO(モリシロ)」は、2025年11月コスメブランド「SHIRO」が展開する複合施設「みんなの工場」の敷地内にオープンした。料理監修は2023年度ITALIAN WEEK 100ベスト・シェフ・アワード、2025年度ベスト・レストラン・アワードに輝いた札幌「TAKAO」高尾僚将シェフだ。
そのコンセプトは「森の恵みと香りを味わう」こと。オープンキッチンの中心には大きな薪火台があり、使用されるのはすべて地元の森を守るために切り出された間伐材のみ。針葉樹や広葉樹、生木や何年も乾燥させた木材を料理に応じて巧みに使い分け、料理に独自の薫香をまとわせていく。それはチームに森を知り尽くしたきこりがいるからこそできるアプローチだ。また「MORISHIRO」にはシェフは存在しない。それは料理人ひとりひとりが⾃ら森に⼊り、森の恵みから料理を⽣み出すことでレストランを育てていきたい、という願いゆえだ。森で採取した芽、花、葉、枝、実はそのまま料理するだけでなく、
蒸留や発酵の手法で森のエッセンスとして使用している。エゾシカやヒグマといった北海道ならではのジビエ、留萌産の強力粉「ルルロッソ」に星屑昆布を練り込んだ自家製手打ちパスタ、絶滅の危機から復活した幻の「黒千石豆」、興部町のハマナスで漬けたカブといった北海道らしい食材が料理のあちこちに見え隠れし、森そのものを体感することができるのだ。
INFORMATION
北海道砂川市豊沼町54-1[google MAP🔗]
Tel:非公開
営業時間:ランチ(木〜日) 12:00~15:00、ディナー(金、土)18:30~21:30
定休日:月曜日、火曜日、水曜日
➣ 公式WEB
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北海道の土地、生産者の想い、森の恵み。そこに、和食の技法と薪火、イタリア料理の構成を重ね、一皿に仕立てました。MORISHIROが大切にしているのは、北海道の食材をただ組み合わせることではなく、「土地 → 生産者 → 食材 → 技法 → 料理 → 記憶」だと思っております。その土地で生まれ、育てられ、受け継がれてきたものを、料理を通して次の記憶へつなげていくこと。
今回の主役は、北海道・噴火湾産の鰆と北竜町の黒千石。鰆には塩をあてた後、北海道北竜町の黒千石豆で仕込んだ自家製味噌を用いて脱水。余分な水分と臭みを抜きながら、黒千石の旨味と発酵の風味を鰆にまとわせ、しっとりと仕上げました。仕上げは白樺の薪火。薪火の火力と煙までを「調味料」として料理に重ねる。皮目は香ばしく焼き上げ、身には薪の香りを含ませました。合わせるのは、深川産「ゆきさやか」と北竜町の黒千石豆のリゾット。鰆の骨やアラから取った出汁に、自家製醤油麹を合わせ、魚の旨味を余すことなく一皿へ戻しています。黒千石豆には、もう一つの物語があります。一度は「幻の豆」と呼ばれるほど生産量が減少した黒千石を、2001年、わずか50粒の種から復活させた北竜町・高田幸男さん。その50粒から始まった想いを、料理として次の人へ渡したい。そんな気持ちから、この豆を単なる食材ではなく、この料理の背景そのものとして捉えました。
さらに、ソースには自ら森へ入り収穫した山椒の葉。森で収穫した木イチゴ、北海道産百合根にも薪の香りを重ねています。北海道の土地と、生産者の想い、森の記憶を、和食の経験を礎に、イタリア料理の構成と薪火で表現したMORISHIROの一皿です。
北海道の素材を、北海道らしく並べるのではなく、自分たちが見て、触れて、感じた北海道を料理にする。それがMORISHIROの考える、「北海道 × 和食 × 薪火 × イタリアン」。一皿の中に、土地の記憶と、人の想い、森の香り、薪火の香りを込めました。
by 髙橋 誠一

北海道の秋の森を、一皿に表現しています。中国料理をバックボーンに持つ私の技術を活かし、羆と発酵きのこをメインにラグーをつくり、中国の技法である酥で包みました。また、生地には水の代わりに焙煎した熊笹茶と熊笹粉を練り込み、熊笹の香ばしい風味を加えています。きのこは一つの食材としてではなく、発酵、薪焼き、エキスの抽出、デュクセル、という4つの方法で仕立て、それぞれ異なる香りと旨味を表現。ソースはマッシュルーム、塩、生クリームのみで構成し、旨味を凝縮したソースに仕上げています。森の香りとして、赤蝦夷松のオイル、薪焼ききのこ、薪焼き牛蒡、熊笹粉、コケモモを添え、北海道の秋の森を表現しています。自ら森に入り、食材を探し、採取するところから料理と向き合っています。また、この料理に使うヒグマは北海道の愛別町で活躍する女性ハンターにご提供いただいている素材です。「森を料理する」という考え方を軸に、これまで培ってきた中国料理の技術と、今学んでいるイタリア料理を組み合わせています。そして、「香りを調味する」という考え方を取り入れ、森の素材そのものだけではなく、そこから生まれる香りまでも一皿の味として表現しました。
イタリア料理と中国料理、発酵、森、そして香り。これまで学んできたものを組み合わせ、自分らしいシグネチャーディッシュとして仕上げました。
by 齊藤 聖也

