ACQUAMAREアクアマーレ

ACQUAMARE
アクアマーレ

横須賀美術館に併設された日髙良実シェフのレストラン

イタリア料理を通じて心に海が浮かぶ

横須賀市観音埼灯台近くに「横須賀美術館」がOPENしたのは2007年のこと。東京湾に三方を囲まれた自然豊かな景観は東京から足を伸ばしたワンデイトリップには最適なロケーションだが「横須賀アクアマーレ」の料理目当てに美術館を訪れる人も多いはずだ。総料理長を務めるのは「アクアパッツァ」日髙良実シェフ。「横須賀に美術館が新設されるというので訪れてみると、故郷の神戸市須磨区の海岸からの眺めにどこか似ていて懐かしくなった」という。目の前には観音崎の海が開けており、晴れた日には広い芝生の上で寝転ぶ人や、のんびり散歩する人々の姿も見える。東京湾の眺めが楽しめるガラス張りの店内では、日髙総料理長のスペシャリティであるアクアパッツァはじめ、海を眺めながら三浦半島の食材を使った上質なイタリア料理が味わえるのだ。

2023年度パスタ未来形で日髙総料理長が考案したのは「横須賀産サツマイモのニョッキ走水産海苔のクリームソース湘南シラスと浦賀レモン」これは日髙総料理長の名作「海苔と柚子胡椒のパスタ」の横須賀バージョンである。初めて食べたのはもう20年も前になるが、日本の代表的な食材をイタリア料理に融合させる料理において日髙総料理長はパイオニアだ。

ちなみに店名の「アクアマーレ」とは「海の水」という意味。海軍の長い歴史がある横須賀で、海を眺めて地元食材を使ったイタリア料理で過ごすひととき。それが「アクアマーレ」にこめた日髙総料理長の願いなのだ。ナポリの海でも須磨の海でもなく、ゲストひとりひとりが心に思い浮かべる、心象風景に似た思い出の海にはイタリア料理がなぜかよく似合う。