東京以外にイタリア料理店が充実としているエリアというと真っ先に思い浮かぶのが京都だが、大阪も決して負けてはいない。いや、熟練のシェフたちが作り出すオリジナリティあふれるイノベーティブ・イタリア料理に関していうならば、京都も東京もしのぐほどの勢いがある。
文学、音楽、絵画など西洋文化を俯瞰した世界観が非常に魅力的な「ラチェルバ」藤田政昭シェフ。カウンター形式で、すべての美しい料理をゲストの眼前で仕上げる「カピ」小川大喜シェフ。ローマで過ごした経験を和洋中の枠を超えて独自の料理哲学で再構築、アウトプットする「フィーゴ」米田裕道シェフ。谷町の民家を改装したイタリアにありそうな一軒家レストラン「イル・チェントリーノ」北口智久シェフ。いずれも経験に裏打ちされた哲学と世界観がなによりも魅力的で、記憶に残るひとときを過ごせることは間違いない。
「ラチェルバ」(大阪)藤田政昭シェフ
1973年生まれ。大阪 関西大学卒業後、教育関連の職を経て、24歳のとき、以前より抱いていたヨーロッパ文化への憧れから料理の世界へ転向。大阪府のイタリアンレストランで働いた後、渡伊。トラットリアからミシュラン星付レストランまで幅広く経験を積み帰国。阪神エリアや大阪市内のイタリアンレストラン数軒でシェフを歴任した後2007年、大阪南森町にて独立。2015年より大阪 北新地に移転し「ラチェルバ」をオープン。
「カピ」(大阪)小川大喜シェフ
京町堀「ラムレーナ」「ポンテべッキオ」を経て大阪市内のイタリア料理店でシェフを務める。 2012 高槻市にて「イル・キアーロ」を独立開業。 2021 店名を「カピ」に改め、大阪 北新地に移転 。
「フィーゴ」(大阪府)米田裕道シェフ
1965年北海道生まれ。18歳で料理の道をこころざし1986年渡伊。「ボンネノベッレ」「パセット」にてシェフを務める。イタリアでの8年にわたる修業や有名店のシェフを歴任。1997年「ソーニ・ディ・ソーニ」OPEN。2021年「フィーゴ」OPEN。学校講師、若手料理人の育成など35年以上の経験がある。
「イル・チェントリーノ」(大阪府)北口智久シェフ
1976年大阪府堺市出身。大学卒業後、会社員務めなどを経て中目黒「ラ・ルーナ・ロッサ」にて30歳で料理人としてのキャリアをスタート。2013年に渡伊。リグーリア州、ピエモンテ州「il Centro」、ヴェネト州「Locanda San Lorenzo」など 4州5軒のレストランで修行。帰国後、大阪本町「オンブラ」料理長就任。2017年7月「イル・チェントリーノ」開業。 座右の銘は「No pain, no gain」。