LACERBA
ラチェルバ

イタリア料理の未来派を目指す気鋭のシェフ


伝統と郷愁にとらわれない新解釈のイタリア料理を

「ラチェルバ」オーナーシェフ藤田政昭氏は学生時代から欧州文化に傾倒し、フレンス料理やイタリア料理を食べ歩くなど美術、文学のみならず料理の世界への関心も高かったという。大学卒業後にイタリアに渡り、星付き店からピッツェリアまでさまざまな形態の飲食店で働いた後に帰国。2007年に「タヴェルナ・デッレ・トレ・ルマーケ」開業後、2015年に大阪北新地に「ラチェルバ」として移転、再スタートを切った。

「ラチェルバ(LAERBA)」とは20世紀初頭にイタリアで勃興した文化芸術運動「未来派」の機関紙のタイトルからとったという、欧州文化に造詣が深い藤田シェフらしいネーミングだ。「未来派」とはそれまでの欧州的価値観からの思考的変革を唱えた運動で画家、音楽家、作家らが集まり「未来派=Futurismo」を形成した。創設者である作家フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティが1931年に発表した「未来派料理宣言」の中で非効率的なパスタの廃止を訴え、代わりに米を主食とすることを提案したというイタリア料理史的に見れば実に興味深いエピソードも残されている。藤田シェフが目指すのは従来の伝統や郷愁のみにとらわれない新時代のイタリア料理、いわばイタリア料理の未来形なのだ。

冷たい鶏レバーのリエット、ピスタチオとフォワグラ、とうもろこしと揚げドーナッツという3種類の「アミューズ」に始まり「和歌山本鮪 赤紫蘇」は那智勝浦産マグロの中トロに赤紫蘇の冷たいソースがあわせてある。きゅうり、トマト、香辛大根、紫蘇のジュレといった香り高く酸も豊かな色とりどりの野菜との組み合わせ。「紫ウニ ナス」は夏らしい一品で紫ウニの下には冷たいナスのムースとビーツのコンソメのジュレ、アラレ、ピスタチオ。「毛蟹 ホワイトコーン」はホワイトコーンを使った冷製カルボナーラ風のパスタだ。キャビア、毛蟹は一晩脱水させてソースはカニの出汁とオリーブオイル。キャビアのトッピングで塩味と風味をプラス。「鰯 自家製スパゲットーネ」も忘れられないパスタ。自家製の太麺、スパゲットーニにイワシ、万願寺とうがらし、パン粉を炒めてオレンジとアンチョビで風味をつけたシチリアの調味料モリーカ。藤田シェフのシチリアへの郷愁が漂う料理だ。


chef profile

藤田 政昭
MASAAKI FUJITA

1973年生まれ。大阪 関西大学卒業後、教育関連の職を経て、24歳のとき、以前より抱いていたヨーロッパ文化への憧れから料理の世界へ転向。大阪府のイタリアンレストランで働いた後、渡伊。トラットリアからミシュラン星付レストランまで幅広く経験を積み帰国。阪神エリアや大阪市内のイタリアンレストラン数軒でシェフを歴任した後2007年、大阪南森町にて独立。2015年より大阪 北新地に移転し「ラチェルバ」をオープン。


INFORMATION

大阪府大阪市北区堂島浜1-2-1 新ダイビル2F[google MAP🔗]
Tel:06-6136-8089
E-mail:lacerba2015@gmail.com
営業時間:ディナー 17:00〜20:30(L.O.)
定休日:日曜日
※ご予約は2名様から
公式WEB