去る2024年9月9日(月)、都内で行われた「マンチーニ レシピコンテスト」ショートパスタ部門で「日本のイタリア料理店 サイ」加藤了裕シェフが最優秀賞に輝いた。加藤シェフは2023年、2024年と2年連続でITALIAN WEEK 100に参加。昨年も「ヤングシェフ賞」候補にノミネートされるなど、まだ30代ながらもその実力はすでに高く評価されている。今回のコンテストはロングパスタ部門、ショートパスタ部門の2部門にわたり、6名の一次審査通過者が調理時間20分の中開催された。審査委員はこちらもITALIAN WEEK 100 参加シェフである「メログラーノ」後藤祐司シェフ「チェンチ」坂本健シェフなど合計7名。

加藤シェフがショートパスタ部門で発表したのは「鮎のほろ苦さ スカモルツァのフォンドュータ パスタミスト」これは加藤シェフ曰く「鮎の塩焼きから、滋味深い味わいを感じ、これをイタリア料理で表現したいと思った。イタリアでは魚とチーズの組み合わせは一般的ではないが、日本人特有の魚の内臓まで食し季節を感じるということ、また内臓のほろ苦さを優しく包み込んで美味しく食べられるソースを作ろうと試行錯誤していると、このスカモルツァ・アフミカータ(燻製にしたスカモルツァ)のフォンドュータがとても良いアクセントになった。岐阜の伝統料理で“コボシ”というものがある、鮎を囲炉煙で燻し保存食にするというものだ。この組み合わせを見ても燻製香と鮎は昔からある組み合わせである。南イタリアの家庭料理で、種類の違う少しずつ残ってしまったショートパスタを使って作るパスタミストで表現。穴の空いたパスタには中に鮎を詰めて、フリットにした稚鮎と、肝を塗って焼いたほろ苦い鮎、香ばしい焼き茄子をアクセントに添えた」というもの。

審査委員長を務めた後藤シェフは「第二回となった今回は、前回と比べ非常に応募レシピのクオリティが高かった。品質の高いマンチーニ社のパスタはイタリア本国以外にも世界中で使用されているので、だからこそ今回は“日本におけるマンチーニパスタの可能性を高め、日本在住の料理人の皆様の繊細な感性が存分に引き出された料理”というテーマを私の方で考えさせていただいた。優勝したパスタはそれぞれマンチーニの魅力が非常に感じられるパスタでした。」と総括した。

また、特別ゲストとして参加したマンチーニ社代表マッシモ・マンチーニ氏は「出場者のパスタはすべて、イタリアの伝統に沿ったアルデンテだった。私たちが畑で作っている小麦、そしてパスタを、シェフたちの解釈を経て、お客様の口へ運ばれていく、その一連の流れを改めて素晴らしいなと感じました。日本は世界の中でも非常にクオリティが高い。地元の食材を使用し、イタリアの食文化であるパスタと組み合わせる、非常に素晴らしかった。」と出場者に賛辞をおくった。

またロングパスタ部門では最優秀賞にITALIAN WEEK 100 2023年度参加シェフ「ラ・ブリアンツァ」奥野義幸シェフの新店舗「DepTH brianza」の齋藤弘一シェフが優勝。優勝者2名は、イタリア・マルケ州マンチーニ社へご招待。同社のパスタが生まれる環境を畑、工場を共に体感できるプログラムへ参加する予定だ。ITALIAN WEEK 100ディレクターによるマンチーニ社訪問記はこちらから。