melograno
メログラーノ

ライブキッチンから生まれる美味なる料理の数々


シチリアの名店で身につけた技術とエッセンス

西麻布と並び、広尾もつねに話題のイタリア料理店の名店や話題店が次々に誕生し、しのぎを削ってきた東京イタリアン激戦区だ。80年代、90年代から続く老舗も多いが現在広尾で人気を集めている一軒が「メログラーノ」だ。オーナーシェフの後藤祐司氏は「クローチェ・エ・デリツィア」斉藤実シェフの元で腕を磨きその後イタリアに渡るとシチリアの名店「リストランテ・ドゥオモ」でチッチョ・スルターノの技術を吸収、帰国後は在日イタリア商工会議所主催のイタリア料理コンクール「グラン・コンコルソ・ディ・クチーナ2012」優勝などを経て2014年に「メログラーノ」をOPENした。

カジュアルながらも上品な雰囲気の店内はオープンキッチンスタイルで後藤シェフがきびきび動く姿が店内のどこからでも眺めることができる。特に7席限定のカウンターは特等席、ライブ感を楽しみながら上質なイタリア料理が味わえる。ライブ感というのは誇張ではなく、後藤シェフが料理する姿は舞台を厨房に変えたライブそのもので躍動感と迫力があり、次から次へと目にも止まらぬ速さであっという間に料理を完成させてゆくのだから。

「ゴルゴンゾーラのマカロン」「モンドールとキノコのブルスケッタ」「根セロリとカラスミのスープ」というアミューズに続いて「椎茸、イカ墨とスミイカのリゾットのフリット パプリカのマリネ、サフランソース」は椎茸の中にリゾットを詰めてフリットにしてあり、サフランソースにぴりっと辛い唐辛子のアクセント。パスタはシチリアらしく「マグロのカラスミとレモンのアンチョビソース風スパゲッティ」ソースにはシナモンやクローブ、オレンジとレモンの皮、砂糖、ヴィネガーとさまざまな文化が入り混じったシチリアらしく、さまざまな味が楽しめるシンプルに見えるが複雑なパスタ。マグロの心臓の塩漬けも入っていた。メインは「熟成肉のロースト」でホースラディッシュが肉の脂をさっぱりと洗い流してくれる。

後藤シェフは定期的にシチリアへ里帰りし、現地の味を再確認するが、現地の味を再現するだけでは日本では難しいという。確かにマグロのカラスミひとつとっても現地のそれは個体が大きいということもあるのだが全体的に塩はきつめ。そうした味のバランスの微調整が日本でイタリア料理を再現する際には求められるし、そこが料理人の腕の見せどころでもある。昨年久々にチッチョ・スルターノの元を訪れてその一流の技にあらためて刺激を受けたという後藤シェフの最新料理に今後も注目したい。


chef profile

後藤 祐司
YUJI GOTO

千葉県市川市出身44歳。新宿調理師専門学校卒業。西麻布「クローチェエデリツィア」などの名店で修業後、2007年より3年間イタリアへ。シチリア州の2ツ星「リストランテ ドゥオーモ」など数軒で修業後、2011年白金台のイタリアンのシェフに就任。2012年「グランコンコルソディクチーナ2012」優勝。2015年「日経レストランメニューグランプリ2015」優勝。2015年9月渋谷区広尾に「メログラーノ」をOPEN。


INFORMATION

東京都渋谷区広尾5-1-30[google MAP🔗]
Tel:03-6459-3625
E-mail:info@melograno.jp
営業時間:ランチ 12:00~(L.O. 13:00)ディナー 17:00~(L.O. 21:00)
定休日:日曜日を中心に月6日休み、月・木はディナーのみ
公式WEB