ORTO
オルト
菜園という名の店名に込められた京野菜への思い
京野菜を使ったベジタリアンとヴィーガン
「オルト」オーナーシェフの谷村真司氏は自然豊かな京都南方久御山に生まれ育ち、幼少の頃から京野菜を食べて育ってきたという。専門学校を卒業するとすぐイタリア料理の道に入り、フランス料理経験を経て渡伊。2008年に帰国すると地元京都に「オルト」をOPENした。「オルト」とはイタリア語で「菜園」の意味。旬の京野菜を中心に味だけではなく、塩分油分も控えるなど体に良い料理を目指している。イタリア料理のみならずフランス料理の経験があることから両方の要素をとりいれ、ジャンルの垣根を越えた自由な発想による自由な料理でゲストを楽しませている。
2016年にリニューアルすると「菜園」というコンセプトはより明確になり、旬の野菜の素晴らしさ、力強さを五感で味わうベジタリアン・メニュー、ヴィーガン・メニューも取り入れるようになる。吹き抜けの店内は開放感があり、一階はゆったりとした空間のカウンター席で、目の前で料理のライブ感が楽しめる。二階はテーブル席で、流木のシャンデリアを眺めながら、京都ならではの野菜料理をじっくりと堪能することができるのだ。
最初に登場するアミューズに思わず微笑む。竹炭パウダーで黒く色付けした黒ニンニクのクッキーは柚七味とサワークリームというピリ辛なのだが、見た目は世界的に有名な黒いクッキーそっくりなのだ。「鱧」は淡路の鱧をスープ仕立てにしてありアメリカンチェリー、赤紫蘇、赤玉ねぎ、八丁味噌のパウダー。「稚鮎」はポートワインで煮込んだ稚鮎とさやごと蒸し焼きしたヤングコーン、葉大根、エゴマのソース。「剣先烏賊」は剣先烏賊のゲソとフルーツトマト、タマネギを使った冷製パスタ。細めのフェデリーニにほんのり火を入れた剣先烏賊のねっとりとした食感、さらに発酵オクラ、アニスのスプラウト、青みかんの皮で伝統料理一味違うパスタに仕上げてある。店名を反映している「菜園」は谷村シェフが最も力を入れている料理の一つだ。数多くの葉野菜とエディブルフラワー、ハーブ、そこにきゅうりとミント、山羊のミルクと2種類のソースで食べる。ミントの爽やかな酸味と山羊のミルクのコクで野菜だけながらも満足感がある。
遊び心あふれる谷村シェフらしく、この日はリゾットの代わりに一口サイズのナスと挽肉のカレーライスが登場したのだがこれがまた秀逸。野菜をふんだんに使う谷村シェフは、余った野菜を残すことなく最後はカレーにして使い切るのだが、これを楽しみに来る常連客も多いという。イタリア料理でカレー?と思う方も多いかもしれないが、海老をフランベしてカレー粉と生クリームを入れてさっと煮たイタリア風カレーというのは、その昔ヴェネツィアの名門「ハリーズバー」で一世を風靡したメニューであり、イタリア全土の古いレストランでは今もメニューに見かけることもある。そうした温故知新のイタリア料理を京都で味わうというのも感慨深いものである。
chef profile
谷村 真司
SHINJI TANIMURA
1976年京都府生まれ。料理専門学校卒業後イタリア料理店に勤務。24歳で当時は珍しい京野菜を扱うフランス料理店「エヴァンタイユ」で野菜の魅力を再発見する。31歳で渡伊。帰国後、2008年8月に現在の場所で「リストランテオルト」をオープン。 2016年3月にイタリアンから他国のエッセンスを取り入れお料理の枠を外す為に「リストランテ」を取り、「オルト」として大幅リニューアル。コース一本の現在のスタイルに。
INFORMATION
京都府京都市中京区三条町337ー2[google MAP🔗]
Tel:075-212-1166
E-mail:info@orto-kyoto.jp
営業時間:ランチ 12:00~ ディナー 18:00~
定休日:月曜日、火曜日
※カジュアルな服装でのご来店はお断りしております
※お食事時間は2〜3時間頂戴しております。ご予定に余裕を持ってご予約くださいませ
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