Ristorante FONTANA
リストランテ フォンタナ

糸島の恵み、福岡でしか食せないイタリアン


伝統料理をベースとした新古典イタリアン

1991年に創業、すでに30周年を迎えた「リストランテ フォンタナ」は福岡を代表するイタリア料理店だ。2018年に若き料理人小川祐樹氏が記念すべき第10代目のシェフに就任。しかも最年少かつ、すでに最長記録の持ち主である。翌年には大規模な改装を施し、新たなる30年に向けて再スタートを切ったばかりだ。東京で働いている頃はフランス料理が専門だった小川シェフだが、多くのイタリア料理のシェフとコラボレーションしたことをきっかけにパスタに目覚める。10年経って地元福岡に戻ろうしている時「リストランテ カノビアーノ」植竹隆政シェフから声がかかり、同福岡店OPENをきっかけに本格的にイタリア料理に転向する。その時に九州各地の生産者を訪ねる機会を得て野菜や魚、肉など九州食材のクオリティの高さを再発見。オリーブオイルやフォワグラ、鴨などはイタリア、あるいはフランス産を使うがその他は基本的に全て九州の食材。素材にあまり手を加えず、フランス料理時代に培ったソースの力で、イタリアらしい地産地消を表現する。

現在「リストランテ フォンタナ」で小川シェフが料理コンセプトとして掲げるのは「レイテスト・クラシック・イタリアン」つまり最新の古典イタリア料理だ。最新の調理器具は一切使わずに全て手作業で、伝統料理でありながら表現方法を現代的にアウトプットしている。

「古典を知らない創作料理は、単なる思いつきでしかない」とは洋の東西を問わず常に言われる金科玉条だが、小川氏もその金言を旨としている。数千年の時を経て生まれた郷土料理や伝統料理には、食材や季節感はむろんのこと、歴史や人物など必ずその背景がある。福岡近郊、糸島産の野菜や近海物の魚介類、信頼できる生産者による肉類、そうした上質な食材を用いてイタリア料理の根源である「地方性」を皿の上で表現する。それは温故知新の信念に基づく、福岡発の新古典イタリア料理だ。

2023年ITALIAN WEEK 100の統一テーマ「パスタ未来形」で小川シェフが披露してくれたのはスペシャリティでもある「サスティナブル ラグー ディ マーレ」つまり「海のラグー サステイナブル」だ。福岡では糸島や宗像がサステイナブル漁業を推奨しており、自分自身パスタとスープが大好きだという小川シェフは、まず豊かな魚介類を使った余すところなく使う魚のスープ=ズッパ・ディ・ペッシェを思いつくが、そのきっかけとなったのが以前コラボした南イタリアの2つ星シェフ、ジェンナーロ・エスポージトだ。ジェンナーロは小川シェフと一緒に買い出しに行った際もいわば売り物にならない雑魚ばかり選び、それを骨ごとすりつぶしたスープでパスタを炊いた。それがものすごく美味しくて記憶に残っていると小川シェフはいう。このパスタをスープごとすすってみると、豊饒なる玄界灘をそのまま味わっているような感覚になる。料理としてはアドリア海側でよく食べる魚のスープ「ブロデット」の記憶を呼び覚ます「サスティナブル ラグー ディ マーレ」は、ジェンナーロのパスタを一歩進めて九州バージョンにした、小川シェフが九州の未来について考えた、未来形のパスタなのだ。


chef profile

小川 祐樹
YUKI OGAWA

1984年福岡生まれ。中村調理製菓専門学校を卒業後、「ホテルニューオータニ博多」に入りその後東京「ランス・ヤナギダテ」、神奈川のレストランを経て、福岡「ビストロ アンココット」、福岡「リストランテ カノビアーノ」等にて研鑽を積み福岡最古のリストランテ「リストランテ フォンタナ」の料理長に最年少で就任。


INFORMATION

福岡県福岡市中央区渡辺通4-8-28 F.TビルB1F[google MAP🔗]
Tel:092-732-6678
E-mail:contact@fontana1991.jp
営業時間:ランチ 11:30~14:30 ディナー 17:30~22:00
定休日:月曜日、第2・4日曜日
※食物アレルギー等は事前にお知らせください
公式WEB