TAKAYAMA
タカヤマ

2023年度IW100「ベスト・イノベーティブ by サンペレグリノ アクアパンナ賞」受賞店


20皿からなる「クリエイティブ・エクスペリエンス」な時間

「タカヤマ」は京都の中心、四条河原町にある複合施設「GOOD NATURE STATION」2階にある。この施設はホテルやマーケット、カフェ、レストランなどで構成されており、緑に囲まれた中庭と現代的な建築はミラノのトルトーナ地区にありそうな雰囲気を漂わせている。半円形のカウンターがぐるりと取り囲むようなフルオープンキッチンの中央に立つのは髙山忠司シェフ。純白のステージを思わせる店内にはミニマルかつ無垢なる清潔感が漂うのだが、それは髙山シェフの料理における世界観なのかもしれない。

メニューは約20皿からなる「TAKAYAMA Creative Experience」の一本のみ。髙山シェフが6年間のイタリア修行時代に蓄積、発展させた最先端イタリア料理を一口サイズにこめ、新たな料理体験=フードエクスペリエンスを提案している。例えば最初に登場するチョコレートの表面にはQRコードが描かれており、スマートフォンでスキャンするとその日のメニューが現れるという、ユニークな演出からコースはスタートする。圧巻のそのメニューはまず料理名だけ列記するとしよう。

「食前のジュース」「ジャパンキャビア」「フォワグラ」「トリュフ」「フィンガーフード ブルスケッタ / タラッリ / スプーニャ / ガスパチョ」「カポナータ」「カルパッチョ」「ジェラート」「プロシュート」「タルト」「パニーノ」「パルミジャーナ」「エスプーマ」「ポモドーロ」「フリット」「パーネ エ ブッロ」「ペッシェ アッラ グリリア」「サカエヤさんのお肉」「タリオリーニ」「リゾット」「本日のドルチェ」「食後の飲み物と小菓子」字面だけ見れば実にトラディショナルなイタリア料理だが、これでなんと25種類。

純白のジュエリーボックスの中から現れた宮崎産ジャパンキャビアにはイカ墨のチップスと万願寺シシトウのムース、日向夏のジャムとフォラグラのクリーム、白トリュフオイルの塩を使ったアイスクッキー「TAKAYAMAサンド」など見た目は華麗で時にユーモラス、しかし味はしっかりとイタリア料理、そんな一口サイズの驚きに満ちた料理が次から次へと飛び出してくる。「TAKAYAMA」が素晴らしいのは何よりもその圧倒的なスピード感とライブ感だ。

「フィンガーフード」はブルスケッタやタラッリなど、一口サイズの4種類のフィンガーフードが登場し、「カポナータ」「カルパッチョ」「ジェラート」「プロシュート」「タルト」は目の前であっという間に5種類の小皿料理が同時に仕上げられ、次から次へと目の前に運ばれてきた。息吐く間もない連続技。TAKAYAMAライブはさらにヒートアップして「パニーノ」「パルミジャーナ」「エスプーマ」「ポモドーロ」「フリット」もやはりいずれも非常に手の込んだ料理が5種類、誇張ではなくあっという間のスピードで用意された。パスタもサカエヤの牛肉ももちろん素晴らしいのだが、またしても度肝を抜かれたのが最後の小菓子で、小さなビスコッティ、マカロン、ゼリーなどのミニャルディーズがなんと16種類。いやはや、最後の最後まで驚きの連続。「食体験=フードエクスペリエンス」とはよく耳にする言葉だが「TAKAYAM」で過ごすひとときは他を圧倒する、イタリア料理と京都食材の美味なる邂逅「高山式クリエイティブ・エクスペリエンス」そのものなのだ。


<シェフインタビュー動画>


chef profile

高山 忠司
TADASHI TAKAYAMA

広島県出身。22歳でイタリアに渡るも挫折して帰国。25歳でカナダへ。27歳で再度イタリアに渡り、イタリア各地で約6年間修業を積む。2018年に帰国。レストラン「TAKAYAMA」オーナーシェフ。2023年度ITALIAN WEEK 100「ベスト・イノベーティブ by サンペレグリノ アクアパンナ賞」受賞。


INFORMATION

京都府京都市下京区河原町通四条下る稲荷町318番6 GOOD NATURE STATION 2F[google MAP🔗]
Tel:075-744-6865
E-mail:reception@takayama-kyoto.com
営業時間:
ランチ 12:00~
ディナー 18:00~
定休日:月曜日(祝日の場合は変更あり)
公式WEB