selvatico chaunka
セルバチコ 茶雲霞 

伊・和・仏を織り交ぜ、多治見の四季を巧みに表現する


料理、インテリア、空気感、全てにおいて自然との調和を目指す

岐阜県多治見市、と聞くと何を思い浮かべるだろうか?岐阜県と愛知県の県境に位置する多治見市は古くから志野や織部に代表される美濃焼の産地として知られているが、近年では夏になると猛暑のニュースでその名を聞く機会が多いかもしれない。しかしローカル・ガストロノミー的視点で俯瞰してみると多治見には注目の「セルバチコ茶雲霞(ちゃうんか)」がある。それまでの「セルバチコ キドグチ」から2024年1月に名を改め、新たなスタート切ったのだ。

高田焼きで有名な虎渓山にほど近く、窯元の煙突や古い民家が立ち並ぶ「たかた・おなだオリベストリート」の一角にあるこの一軒家レストランでは、多治見でしか味わえないイタリア料理が存分に堪能できる。オーナーシェフの木戸口貴吉氏はイタリア料理のみならずフランス料理、日本料理を学び、そうした経験から地元多治見の食材を縦横無尽に、国境を超越したイタリア料理として提供している。現代風の言葉に置き換えればサステイナブル、になるのだろうか。木戸口シェフは地元の生産者が作る食材に敬意を払い、無駄なく使い切ることを信条としてガストロノミーへと昇華させる。料理名のコース名にも「多治見」「虎渓山」「東美濃」という地名が採用されていることにも地元への愛着が強く感じられる。

最初に登場する前菜は鮮やかな緑が美しい「小松菜 白ばい貝」。身近な食材である小松菜をテリーヌやソースにし、上質な前菜に仕上げてある。とうもろこしをテーマにした3種のアミューズは「とうもろこしと黒トリュフ、不耕起玄米のポタージュ」「とうもろこしの芯の部分のコンソメ、ジュレ」「リエット、とうもろこしのオープンサンド」ひとつの食材をさまざまな調理法で食べさせてくれるのは、あらゆる料理に精通した木戸口シェフならでは。岐阜の夏ならではの味覚である鮎は内臓を外してコンフィにし、きゅうりと鮎のワタで作ったソースで食べる。鮎ときゅうりのコンビネーションは鮮烈な多治見の初夏の味で、下に敷かれたキタアカリの焼きニョッキがよくあう。

温燻にしたスモークトラウトと中津川の米を使ったリゾットには春菊のソース。イクラのようなマスの卵の塩漬けも添えてある。そして同じく中津川の栗旨豚の肩ロースはロースのローストにし、腿肉はサルシッチャに。竹炭の衣をつけた栗とインカのめざめのクロケッタに美濃のビーツのソース。こうして産地と食材を並べるだけでもいかに手が込んだ料理なのかがお分かりいただけるかと思う。またワインリストには岐阜県県多治見市の三千盛、瑞浪市の小左衛門もあるので、日本酒とイタリア料理の相性の良さを確かめることもできる。

「セルバチコ茶雲霞」の店内には地元虎渓山の作家による花器に活けられた四季折々の花が彩りを添え、ダイニングルームに面した窓の外からは初夏には新緑が、秋には紅葉の眺めが堪能できる。料理人になる前にはデザインを専攻していたという木戸口シェフの、レストラン全体の空間に対する美意識も料理同様に堪能したい。


chef profile

木戸口 貴吉
TAKAYOSHI KIDOGUCHI

様々な店舗で修行し、名古屋市内数店舗のレストランやウェディングで料理長として10年程経験させていただいている中、陶芸の町岐阜県多治見市の某ウェディングのマネジメントリカバリーを依頼され、再建した後に同地にて美濃ガストロノミーをコンセプトに「selvatico kidoguchi」を独立開業。無薬、安全と環境保護も考えながら食材や生産者様に感謝しながら真摯に料理に取り組む毎日。地元の産業も尊重しながら地元のゲストに愛されるように、また市外からのゲストには多治見、美濃を感じられる料理を表現したお店づくりで地域貢献、活性化につながるように日々邁進。2024年1月からはイタリア料理の「セルバチコ茶雲霞」と和食「キドグチ」そして平日夜のみの営業で「焼鳥ビストロ 茶雲霞(ちゃうんか)」とさまざまな料理を楽しめる。


INFORMATION

岐阜県多治見市高田町1-81-3[google MAP🔗]
Tel:0572-26-8888
E-mail:kdgucci@icloud.com
営業時間:ランチ 11:00〜14:45 ディナー 17:30〜21:45
定休日:不定休
※ドレスコード無し
※特別強い香り、匂いはご遠慮ください
公式WEB