ENOTECA PINCHIORRI NAGOYA
エノテーカ ピンキオーリ名古屋
フィレンツェが誇るミシュラン3ツ星唯一の日本店











カリスマ、ジョルジョ・ピンキオーリが全精力を注ぐ
「エノテカ・ピンキオーリ」といえば本家フィレンツェで長年3ツ星を維持し、オーナーのジョルジョ・ピンキオーリ氏のワイン・コレクションは2000種類6万本を誇り、イタリア一といわれている名門だ。古いイタリア料理ファンならば、銀座にあった同名店を思い浮かべる人もいるかもしれない。1992年銀座コア7Fにオープンした同店は、銀座が誇る最高級イタリアンとして大いに人気を得たが2010年に閉店。その後復活したのが、この名古屋にある「エノテカ・ピンキオーリ」だ。名古屋駅に直結しているミッドランドスクエア42階という、名古屋駅前を見下ろすロケーションにあるのはフィレンツェ本店と唯一違う点か。しかし店の品格、オーセンティックな料理、そして圧巻のワイン・コレクションは本店に引けを取らない。
ワインのセレクションはジョルジョ・ピンキオーリ氏自らが選び、料理に関しては本店エグゼクティブ・シェフ、リッカルド・モンコと緊密な連携をとりつつ日本独自のメニューを展開する。その根底に流れるのは不変不朽の古き良き、最高級イタリア料理。温故知新を求めるイタリア料理ファンなら感涙にむせぶこと必須の料理の数々だ。そして日本では滅多にお目にかかれない最高級イタリアワインはもちろんのこと、ブルゴーニュ、ボルドーの超絶ヴィンテージも取り揃えている。本店同様百科事典のような厚さのワインリストは眺めているだけでしばし幸福な気分に浸れる。また、毎年オーナーであるジョルジョ・ピンキオーリ氏やリッカルド・モンコ氏も来日するので、その期間に訪れる機会に恵まれればまたとない稀有な食体験ができるはずだ。
chef profile

島 光平
KOHEI SHIMA
1978年生まれ。渡伊後は「ミラモンティ ラルトロ」、「パスティッチェリア スカーリア」で経験を積む。帰国後は「エノテーカピンキオーリ東京」「エノテーカピンキオーリ フィレンツェ本店」「エノテーカピンキオーリ 名古屋」に勤務。現在は「エノテーカピンキオーリ 名古屋」統括料理長兼製菓長。
chef profile

戸田 直幸
NAOYUKI TODA
1987年奈良県生まれ。調理専門学校卒業後、奈良の「リストランテ イ・ルンガ」にてイタリア料理を学ぶ。 渡伊後「リストランテ イル カッシナーレ ヌオーヴォ」「リストランテ ヴィッラ テイボルディ」にてセコンドシェフを務め、帰国後「エノテーカ ピンキオーリ名古屋」にてソムリエとして職務をはじめ、その後キッチンに入りセコンドシェフを経て現在は料理長を務める。2025年9月「第3回マンチーニパスタコンテスト」にて最優秀賞を受賞。
INFORMATION
愛知県名古屋市中村区名駅4-7-1[google MAP🔗]
Tel:052-527-8831
E-mail:info@ep-nagoya.jp
営業時間:ランチ 11:00~15:00(L.O. 13:30)ディナー 17:30~22:00 (L.O. 20:30)
※スマートカジュアル(男性の方 ジャケット着用をお勧めしております)
➣ 公式WEB
▶︎2023 ITALIAN WEEK 100 パスタ未来形メニュー Read more ≫

グルテンフリー(米粉の生地)と廃棄ロス削減をテーマにしました。パスタ自体はニョッキのニュアンスで一切小麦粉を使用せず、つなぎにはカボチャのジュースを使用(カボチャ自体、皮や種まで全て使用し廃棄ロスを削減)また、旬のカボチャ、リンゴにチーズをあわせ季節感も表現しております。
パスタ未来形に対するシェフの考え
イタリア料理をやるにあたってパスタのポジションはとても重要だと私個人的に認識しております。その中で、小麦アレルギーの方々にも対応できるグルテンフリーのパスタを考案しております。そのパスタに、サステナブルや地元食材などいろんな要素を取り入れ、現代に見合った新しい未来のパスタを提案します。
▶︎2024 ITALIAN WEEK 100 発酵の可能性メニュー Read more ≫

「エノテーカ ピンキオーリ」とイタリア、ピサのチョコレートメーカー「アンジョリーニ社」の共同開発で生まれた当店オリジナルブレンドのチョコレートunico”1972”を使いました。優しいながらも深みのあるムースとしっとりとした食感のビスコット、フルーティーな酸味を楽しめるマダガスカル産チョコレートのクレーマ、ガーナ産チョコレートを使っ た軽いソース、食感と塩味に拘ったガヴォット、発酵させたバナナとオレンジの香りをほのかに感じるミルクチョコレートのジェラートを合わせたドルチェです。 カカオとバナナは共栄植物といい、同じく栽培する事で収穫量が増えたり害虫から身を守るといった互いに良い影響を与えながら育つ植物です。 バナナの葉を使ってカカオ豆を発酵させるのが一般的ですが、先人の知恵から伝わった理に適った方法と言えます。 unico”1972”は過去と現在を合わせて最上の未来を創造したいという想いから、カカオが最初にヨーロッパに伝わったベネズエラ産と1900年代に栽培が始まったパプアニューギニア産の希少種であるクリオロ種を厳選してブレンドしています。さらにマダガスカル産、 ガーナ産のチョコレートの個性を合わせて、「発酵の可能性」というテーマにふさわしい食材としてバナナとチョコレートを選びました。

白インゲン 豆のパッサータ トーストしたパン粉 発酵レモンパウダー」
天然酵母を使用し、パスタ生地そのものを発酵させてパン生地とし、その風味豊かな生地で「ピーチ」を作りました。 クリーミーな白インゲン豆のソースに地物の車海老、アクセントにトーストしたパン粉を添えることでトースト香が加わり、香りに奥行きを持たせてサクッとした食感もプラスし、最後に香り高い発酵レモンのパウダーを合わせました。発酵の力により噛めば噛むほどに口の中で広がる香り、味わい、食感も含め新しいパスタ料理を表現しました。
発酵の可能性に対するシェフの考え
人が生きる為に、食材をより美味しく食べる為の工夫、そのままでは食べられない食材を食べられる様にする為に人間が生み出した知恵であり、生きていく上、伝統や文化を守る為に欠かせないのが発酵だと思います。 日本にもイタリアにもたくさんの発酵食品があります。 20年程前イタリア現地で学んだ一番大切にしているイタリア菓子がパネットーネなんですが、僕の師匠のパネットーネに使っている天然酵母は、Cacca di cavallo(馬糞)からとった酵母だそうです。 確かに普段使っているぶどう酵母とは香りが違いました。(臭くは無かったです)馬糞の天然酵母を使う理由は、生地が膨らむパワーが違うかららしいです。 パネットーネ独特の発酵臭は乳酸菌が糖を発酵させて出るアルコールや酢酸、炭酸ガスに よるもので、それによって生地のpHを低下させて汚染細菌の防止して長期保存ができます。まさに「発酵の可能性」を大いに感じます。 日本人にとってはごく身近に発酵食品があり、これまで受け継がれてきたものを自然に食 べてきました。流通や保存環境の発達した現在でも発酵させる食材、方法でまた新しい知恵を後世に残せると考えます。 食は身体を作り心を豊かにしてくれます。発酵食品によって健康や寿命、免疫力の強化を化学的、医学的により多くの事が証明され、認知される事で人々の健康寿命が延び、人生の幸福度が上がっていく事を望みます。
▶︎2025 ITALIAN WEEK 100 パスタの存在証明メニュー Read more ≫

パスタの歴史は古く、古代ローマの小麦などを煮込んだ穀物粥「プルス」がルーツとされ、 その後、乾燥パスタが作られ、地域に根ざしたパスタ文化が発展しました。 そして、料理人がパスタとソースを組み合わせることを考案したことで、イタリア全土で 急速に普及したそうです。現在、数多くの麺が存在する中で、「パスタの存在証明」とは何か。まず、日本でパスタを作る上で何が大切かを考え始めました。イタリア現地の文化や歴史を知り、その想い、イタリア調理 技術や考え方を大切にし、それを理解していく事だと思います。その上で、自分のフィルターを通し、オリジナリティーあふれる一皿を作ろうと心がけました。
今回のパスタはマルケ州で自社栽培した小麦 100%で作られた、マンチーニ社の高品質なルマー ケリガーテを選択。コロッとした可愛い見た目と楽しくなるような食感、そして、ソースがからみやすい利点があり、一口食べるだけで、食べ手の心をグッと掴めるパスタです。 また、パスタを合わせるペーストには鮮度の良い朝採れの地元のバーブや花を積極的に使い、 味の要となるラグーには、愛知名産の三河一色産の鰻を使用したボロネーゼソース添えました。 ラグーはあとがけすることにより、全体にメリハリが生まれ最後まで美味しく食べて頂けるよう な構成にしました。食べ手に新しいパスタ料理を提案するにあたり、より親しみをもって楽しんで頂きたいという想いから馴染みある「ボロネーゼ」という名前をメニュー名に取り入れました。イタリアを尊重しながらも、地元食材を中心に厳選し、料理を組み立て、地域活性化も図る狙い もあり、うな重やひつまぶしにつぐ、日本の新しいうなぎ料理として定着させたいという狙いも合わせ持っております。
このように、日本でパスタを作る上で、イタリアと日本の食材や文化を組み合わせることで、地域を巻き込み、また活性化に繋がれば、愛知から全国へ新しい日本の国民食が誕生するかもしれないと、そんな希望や夢が見えます。 イタリアを飛び越え、世界中でその地に根ざしたパスタ料理が誕生し愛される。そういった意味ではパスタの存在証明には十分な理由になると思っております。