ristorante cielo
リストランテ シエロ

イタリアの田舎にあるような一軒家レストランを目指す


自家菜園の野菜やハーブ、シェフ自ら狩猟するジビエ

岡山駅から津山線に乗り換え、鳥取方面へ向かうこと約1時間半。津山駅で降りると駅前には「B’z 稲葉浩志の故郷、津山」という大きな看板が立っていた。さらにタクシーに乗り換えて10分ほどすると周囲を林に囲まれた「シエロ」に到着した。大阪の名店「ポンテベッキオ」でキャリアを積んだ坂東友也氏は、2005年に津山市の城東昔町にあった古民家を改築し「シエロ」を開業。2006年には狩猟免許を取得し、2011年には現在の場所に移転した。周囲を田畑に囲まれた理想的な環境で野菜やハーブなどを自家菜園で育てつつ、イタリアの田舎町にあるようなレストランを目指している。

店内に足を踏み入れると大きな窓から見えるのは坂東シェフが手がける自家菜園と、その背後に広がる那岐山麓が見渡せる。人工物は一切見えない自然の只中にある一軒家レストラン、それが「シエロ」だ。開放感ある高い天井と岡山県産杉板のフローリングに加え、イタリア製の照明器具や現代風家具がうまく調和している。料理に使う皿やカトラリー、グラスにも岡山県の作家によるもの。岡山県産の希少ワインや鳥取タルマーリーの樽生オーガニックビールなどオール岡山といっていいラインナップなのだ。

「メニュー・スペチャーレ Menu Speciale」では、まず木のトレーに乗って5種類の前菜が登場する。「赤あわびのヴァポーレ 肝のソース」「畑のズッキーニの花のフリット ミント」「島根より天然甘鯛のクロッカンテ」「境港マグロのタルターロ 畑のホースラディッシュ」「昆布締めキジハタと山城農園アスパラガスのロートロ」という見るだけでテンションが上がる可憐な前奏曲。

「鳥取日野川より天然鮎のソテー 瓜 うるか」は大山近くにある清流で撮れたあゆにうるかと肝のソース、そして鮎の香りを思わせるきゅうり、瓜、コリンキーカボチャ。酸味の効いたソースと瓜の甘味、発酵感があるうるかでまとめるセンスのよさ。「天然平目のムニャイア」「美作産仔鹿背ロース 畑の山椒 イチジクの葉」も良かったが、最後の「ノリカンラ農園はざ干しはつしも米と2年熟成 猪のプロシュット 反田さんの自然栽培ごぼうのリゾット」はテロワールを強く感じる土のリゾット。2年乾燥させた米はよく味を吸い込み、猪は野趣あふれて旨味が強く、なによりもアーティチョークを思わせるゴボウがリゾットを引き立てる。

坂東シェフは自家菜園で育てた野菜やハーブに加え岡山県新見市の千屋牛や、瀬戸内や山陰の漁港から届く魚介類、さらに自ら狩猟したジビエもメニューに取り入れるなど、都会ではできない地方ならではのイタリア料理作りに日々精力を注いでいる。


chef profile

坂東 友也
TOMOYA BANDO

1975年大阪府生まれ。大阪あべの辻製菓専門学校卒業後、宝塚市内のパティスリーにて修行開始。その後、イタリア料理店・製パン店・魚料理専門店など勤務の後。大阪「ポンテベッキオ」山根大助シェフの元で3年半働く。2005年岡山県津山市の城東昔町の古民家を改築し「シエロ CIELO」開業。2006年狩猟免許取得。2011年野菜やハーブなどを育てながら、イタリアの田舎町にある様なレストランを目指すべく、現在の地に移転。


INFORMATION

岡山県津山市高野山西2230-3[google MAP🔗]
Tel:0868-26-1600
E-mail:tpyqm394@ybb.ne.jp
営業時間:ランチ 11:30~14:00(L.O. 18:00~21:00)ディナー 18:00~23:00(L.O. 20:00)
定休日:月曜日
※完全予約制
公式WEB