2024年度のItalian Week 100にご参加いただいた、日本を代表する100軒のTOPイタリア料理店、100人のTOPシェフの中から1人だけ受賞者を選ぶのは実に難しい作業なのだ。しかし「最もイタリアの伝統料理を踏襲し、新しく表現し続ける」シェフに贈られる「Best Traditional Award」に関しては「マジカメンテ」佐藤崇行シェフの受賞は誰もが認めるところだろう。

イタリアには秘境といわれるような町や村に足を延ばさない限り食べる事の出来ない幻のパスタや、手がかかり過ぎるが故に絶滅に瀕しているパスタがある。佐藤シェフはそうしたイタリアの小さな町や村を訪ねるパスタの旅を続けること20年。現地の料理人や職人たちから学ぶたび「伝統を絶やさないように作り続けているから、日本で同じように伝統の伝承をしてほしい」といわれるという。

2024年度の統一テーマ「パス未来形」での七色のアニョロッティ「イタリア未来派の画家ジャコモ・バッラの作品 『虹色の浸透』へのオマージュ」や本年度ラザニアウイークでの「本マグロとビーツのラザーニャ トロンケット仕立て」など佐藤シェフが発表するパスタは伝統料理を踏襲しているとはいえ、そのアプローチや発想は常に斬新で、見るたびにその感性度の高さや美しさ、そして味の深さに驚かされる。本来職人的な手仕事=Arteである「パスタ」を芸術=Arteの域にまで高める佐藤シェフには「ベスト・トラディショナル賞 Best Traditional Award」をお贈りする。

イタリア料理遺産と呼んでもいいようなイタリアの希少なパスタを、芸術的な表現方法で作り続ける佐藤シェフの授賞インタビューを含むオンラインでのアワード発表は2025年2月10日予定、こちらも注目していただきたい。