Bekk
ベック

2022年11月にリニューアル、北九州発のガストロノミー


地元九州の旬の食材を生かし、季節感を料理で表現

北九州市に生まれた菅沼康二シェフは、小さい頃から大のパスタ好きだったというからすでにイタリア料理の道を歩むことが約束されていたのかもしれない。18歳で満を持してイタリア料理の世界に入り、京都などで腕を磨いたのちに地元北九州でカジュアル・イタリアン「ビステリア・ベック」をOPEN。

地元で愛されたイタリア料理店だったが10年後の2022年11月にコースメニューのみを提供する「ベック」にリニューアル。現代風にいうならBekk2.0として新しいスタートを切った。毎回九州を旅すると食材のクオリティとバリエーションの豊富さに驚き、市場に足を運べば魚介類の充実ぶりに胸ときめく。そんな北九州の豊饒をイタリア料理というフィルターを通じて料理に表現しているのが現在の「ベック」だ。野菜は極力地元産の無農薬、無肥料で在来品種を使用し、肉は自然放牧の「八崎牛」で魚介類ももちろん九州産。明るい基調の店内では、そうした食材を自由自在に駆使した九州ガストロノミーを楽しめる。

まず最初に「3種のタルトレット」。玄米を米粉に練り込んだ一口サイズのタルトレットの上にはとうもろこしスープの球体、アオリイカとフロマージュブラン、そして馬肉と茗荷のタルタルの3種類。鹿児島県鹿屋市にある「ふくどめ小牧場」の黒豚のプロシュートに水牛のブッラータ、そして完熟メロンのソルベ。そうこれはイタリアの夏の定番「生ハムとメロン プロシュート・エ・メローネ」の「ベック」バージョンなのだ。ローストした玉ねぎから抽出した液を塗りながら焼いたウナギは甘くて香ばしく、ペペロナータとオリーブパウダーでイタリア的要素をプラス。菅沼シェフ曰く卵を使わずわざとワンタン風に仕上げたというラヴィオリの詰め物は豚足と豊前海の車海老、ナスと生姜と九条ネギ。なめらかな舌触りは確かにワンタンだが味はしっかりとイタリア。

古代小麦を使った手打ちパスタ、ピーチには焼き鮎のアーリオオーリオ。霧島ニンニクと野生のクレソンが脇を固める。メインは福岡の豚肩ロースで越冬完熟山芋のお焼きにリゾット仕立ての雑穀、キヌアと国米の味噌という縦横無尽の組み合わせ。「お米のティラミス」は米や大麦、古代小麦などに常に敬意を払う菅沼シェフらしいデザートで、湧き水で作っている玄米を精米してからティラミスにしている。ティラミス、ヨーグルトのジェラート、白桃と「ベック」の空間同様純白で統一した見目麗しい締めの一皿。花や色とりどりの野菜を使うシェフは多いが、菅沼シェフの料理は白を基調とした淡い色調のナチュラルトーンが多く、見た目とは繊細だが味はしっかりとイタリア。そこが菅沼シェフの懐の深さがなせる技だ。


chef profile

菅沼 康二
KOJI SUGANUMA

1982年、福岡県北九州市生まれ。 小さい頃から大好きだったパスタをきっかけに、18歳からイタリア料理の道へ。 京都の「イルギオットーネ」で修業を積み、2012年に独立。 地元北九州で「Bisteria Bekk(ビステリアベック)」を開業。 2014年 「ミシュランガイド福岡・佐賀」掲載。 2016年 現在の場所に移転。 2019年 「ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎」ビブグルマン掲載。 2022年11月、店名を「Bekk(ベック)」に改め、リニューアルオープン。


INFORMATION

福岡県北九州市小倉北区魚町4-3-8モナトリエ1F [google MAP🔗]
Tel:070-4485-7871
E-mail:contact@bekk-kokura.jp
InstagramのDM:@bekk_fukuoka
営業時間:月曜日・木曜日〜日曜日 ランチ12:00〜14:30、ディナー18:00〜22:00
水曜日 ディナーのみ18:00〜22:00
定休日:火曜日
※ドレスコード:スマートカジュアル。厳しいドレスコードはございませんが、男性の半ズボンやサンダルでのご来店はお控えくださいませ
※当店はカウンター席(最大6名様)と、完全個室のテーブル席(最大6名様)がございます。お席のご希望がございましたら、ご予約の際にご相談くださいませ
※アレルギーまたは苦手な食材がありましたら、ご予約の際にお知らせくださいませ
※中学生以下のお子さまをお連れのお客様は、個室へのご案内とさせていただきます。ご予約の際にお知らせくださいませ
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