selvatico mino
セルバチコ ミノ
伊・和・仏を織り交ぜ、多治見の四季を巧みに表現する










料理、インテリア、空気感、全てにおいて自然との調和を目指す
岐阜県多治見市、と聞くと何を思い浮かべるだろうか?岐阜県と愛知県の県境に位置する多治見市は古くから志野や織部に代表される美濃焼の産地として知られているが、近年では夏になると猛暑のニュースでその名を聞く機会が多いかもしれない。しかしローカル・ガストロノミー的視点で俯瞰してみると多治見には注目の「セルバチコ ミノ」がある。それまでの「セルバチコ キドグチ」「セルバチコ茶雲霞」から2025年に再度店名を改め、新たなスタート切ったのだ。
高田焼きで有名な虎渓山にほど近く、窯元の煙突や古い民家が立ち並ぶ「たかた・おなだオリベストリート」の一角にあるこの一軒家レストランでは、多治見でしか味わえないイタリア料理が存分に堪能できる。オーナーシェフの木戸口貴吉氏はイタリア料理のみならずフランス料理、日本料理を学び、そうした経験から地元多治見の食材を縦横無尽に、国境を超越したイタリア料理として提供している。現代風の言葉に置き換えればサステイナブル、になるのだろうか。木戸口シェフは地元の生産者が作る食材に敬意を払い、無駄なく使い切ることを信条としてガストロノミーへと昇華させる。料理名のコース名にも「多治見」「虎渓山」「東美濃」という地名が採用されていることにも地元への愛着が強く感じられる。
最初に登場する前菜は鮮やかな緑が美しい「小松菜 白ばい貝」。身近な食材である小松菜をテリーヌやソースにし、上質な前菜に仕上げてある。とうもろこしをテーマにした3種のアミューズは「とうもろこしと黒トリュフ、不耕起玄米のポタージュ」「とうもろこしの芯の部分のコンソメ、ジュレ」「リエット、とうもろこしのオープンサンド」ひとつの食材をさまざまな調理法で食べさせてくれるのは、あらゆる料理に精通した木戸口シェフならでは。岐阜の夏ならではの味覚である鮎は内臓を外してコンフィにし、きゅうりと鮎のワタで作ったソースで食べる。鮎ときゅうりのコンビネーションは鮮烈な多治見の初夏の味で、下に敷かれたキタアカリの焼きニョッキがよくあう。
温燻にしたスモークトラウトと中津川の米を使ったリゾットには春菊のソース。イクラのようなマスの卵の塩漬けも添えてある。そして同じく中津川の栗旨豚の肩ロースはロースのローストにし、腿肉はサルシッチャに。竹炭の衣をつけた栗とインカのめざめのクロケッタに美濃のビーツのソース。こうして産地と食材を並べるだけでもいかに手が込んだ料理なのかがお分かりいただけるかと思う。またワインリストには岐阜県県多治見市の三千盛、瑞浪市の小左衛門もあるので、日本酒とイタリア料理の相性の良さを確かめることもできる。
「セルバチコ ミノ」の店内には地元虎渓山の作家による花器に活けられた四季折々の花が彩りを添え、ダイニングルームに面した窓の外からは初夏には新緑が、秋には紅葉の眺めが堪能できる。料理人になる前にはデザインを専攻していたという木戸口シェフの、レストラン全体の空間に対する美意識も料理同様に堪能したい。
chef profile

木戸口 貴吉
TAKAYOSHI KIDOGUCHI
様々な店舗で修行し、名古屋市内数店舗のレストランやウェディングで料理長として10年程経験させていただいている中、陶芸の町岐阜県多治見市の某ウェディングのマネジメントリカバリーを依頼され、再建した後に同地にて美濃ガストロノミーをコンセプトに「セルバチコ キドグチ selvatico kidoguchi」を独立開業。地元の産業も尊重しながら地元のゲストに愛されるように、また市外からのゲストには多治見、美濃を感じられる料理を表現する。2025年より店名を「セルバチコ ミノ」と改める。
INFORMATION
岐阜県多治見市高田町1-81-3[google MAP🔗]
Tel:0572-26-8888
E-mail:kdgucci@icloud.com
営業時間:ランチ 11:00〜14:45 ディナー 17:30〜21:45
定休日:不定休
※ドレスコード無し
※特別強い香り、匂いはご遠慮ください
➣ 公式WEB
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岐阜東美濃を繋ぐ ニョッキアルサルト、(美濃ニョッキ『mignocchi』) 未来に継なぐ サルサボロネーゼコンミノ (ボロ美濃ネーゼ『 bolominese』) 。
コンセプトとして重要だと思った事は沢山の人たちが幸せになるパスタに仕上げる事。つまりは、老若男女問わず沢山の人に食べてもらえて関わる人たち全てが幸せである事。そしてその幸せを未来につなぎ続けられる事。
岐阜県の東美濃をフィーチャーして。多治見市廿原ええのお(不耕起玄米.食べれるもみじ)/多治見市諏訪農林(里芋、原木椎茸)/土岐市伊藤(ルーコラセルバチコ)/瑞浪市 中島醸造(小左衛門)/恵那市水野園芸(秋冬トマト)/中津川市市岡(和栗)/中津川市_吉野ジーピーファーム(栗旨豚)
東美濃の全ての市の食材で繋ぎ、東美濃の食材のみでかつ高級食材は一切使わず創り上げる、誰もが耳にした事があるもの、それがselvaticoの未来形パスタ 。
パスタ未来形に対するシェフの考え
パスタ未来形に対して凄く興味深いテーマだとおもいます。こねるを起点に考え日本ならでは、その土地ならではのパスタというものを表現したいと思っております。 そして、それがその土地に根付く未来が来る事を妄想しながら創作したいと思います。
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玄米のブリオッシュ お米のチップス クリスピーカネロニ」

「中津川の更紗サーモン」
サーモンは47度で低温調理してからスモークし、とろける食感にしてあります。下に敷いてあるのは中島醸造の酒米「飛騨ほまれ」の焼きリゾットで、麹と酒粕、玉ねぎ麹と合わせてからサーモンンの食感に食感にあわせて米も柔らかく炊いてあります。チーズは使ってありません。酒米は粘りが出ないのでさらっとした感じです。高級な鮭の焼きおにぎりのようで、わたしは鮭の親子丼と呼んでます。
「馬瀬川の鮎ときゅうりのパスタ」は
香りを生かすために洗わずにそのまま焼いた馬瀬川の鮎に、きゅうりと1年熟成の鮎のうるかのソースを米で作ったタリアテッレと合わせてパスタにしてあります。きゅうりは火を入れると青臭さも消えてべつものになります。小麦粉を使っていないのでグルテンフリーのパスタとして、ダイレクトに鮎のおいしさが味わえます。
「アワビとズッキーニ」
愛媛のアワビにズッキーニとアワビのきもで作ったソース。自家製玉ねぎ麹とアマゴの魚醤で味を作りました。下に敷いてあるのは厚めに切って焼いたズッキーニで異なる食感が楽しめるように仕上げてあります。アワビの肝を使ってありますが、女お生のお客様の中には肝を嫌がるかたもいらっしゃいますので肝の風味は抑えめにしてあります。
発酵フィンガーフード3種
玄米のブリオッシュ
廿原町の不耕起玄米をイチジクの酵母で焼き上げて一口サイズのブリオッシュにしました。挟んであるのはフレッシュなイシジクとギリシャチーズ、パセリオイル。イタリアの夏の定番マスカルポーネとイチジクのピッツァビアンカのような感じです。岐阜は米どころなのでパスタやブリオッシュ、フィンガーフード、そしてデザートのジェラートも米で作ります。
お米のチップス
一度炊いた米をシートに伸ばしてから90度のオーブンで18時間乾燥させ、小さく切ってから米油でカリカリのフリットにします。あわせるのはサンマのコンフィとイチジク、廿原町のセロリのスプラウトです。
クリスピーカネロニ
パートブリックの中に中津川のサーモン、マスカルポーネ、ギリシャチーズ、ディルを詰めたカネロニで昔懐かしい70〜80年代の人気だったイタリア料理、サーモンクリームを思わせる人気のアミューズです。
発酵の可能性に対するシェフの考え
2020年のコロナの時期に店のスタイルを変え、その頃から発酵に取り組みようになりました。玉ねぎを中島醸造の麹で発酵させた玉ねぎ麹は野菜のブロードがわりにさまざまな料理に味のベースとして使っています。鮎は内臓ごと塩漬けにして1年熟成させてうるかにし、その水分も鮎の魚醤として料理に使いますし、アマゴの塩漬けに鮎の魚醤を加えたアマゴの魚醤も作っています。パン用にはイチジクを使った自家培養発酵種を使いますが季節によってはブルーベリーやイチゴを使うこともあります。サーモンの皮や内臓、骨を発酵させたものもいま研究中です。発酵の面白さは、ひとことでいうならばとにかく料理がおいしくなるということ。もちろん健康にもいいんでしょうけど、まず料理人として美味しい料理を作るというのが前提なので、発酵物を使えば間違いなく美味しくなります。発酵でアミノ酸が増えるるので、玉ねぎ麹をベースにつかうだけで味が完成します。また柿やビーツなどの果物からヴィネガーも作っています。仕事が終わった夜中に仕込んで真空パックにしてほっといたらそのうち発酵が進んでぱんぱんに膨らみます。やはり既製品にはない味、オリジナルの味を作れるところが一番おもしろいと思っています。
2024年度 IW100 アワード
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恵那三浦豚と諏訪の菊芋、美濃寺町さん平飼い卵の軽やかなカルボナーラ 昆布と紅葉」
三浦豚は昨年より活躍の玉葱塩米麹に漬け込み炭焼き。寺町さん平飼い卵は無農薬のお米を食べて育った地鶏から。これらを昆布出汁でピューレにした菊芋と合わせ、旨みはしっかりだが軽やかなカルボナーラソースとし、岐阜県の代表的なお米のハツシモで作られたプラスさんのフェデリーニと合わせて。仕上げには炭に見立てた昆布の粗パウダーと地元廿原の世界初の食べれる紅葉を添えて。
誰もが知るカルボナーラを岐阜県食材と岐阜県のお米ハツシモのパスタでselvatico木戸口流に仕立てて、イタリア料理✖️岐阜県✖️selvaticoの圧倒的なパスタの存在証明とする。

岐阜県らしいイタリア料理を模索してきたselvatico minoは以前よりお米のパスタに着手し続けてきました。何皿もで構成されるイタリアンコース料理の花形であるパスタは他のどの皿よりも圧倒的存在感を要すると私は考えております。その存在を証明させるパスタが地元廿原の不耕起栽培玄米を使用したクリスピーカネロニです。産地を同じくしたブロッコリーと昨年も活躍したアマゴのアンチョビと米繋がりの小左衛門の酒粕のみを使用しております。
最少数の食材で最大に記憶に残るお米のパスタが岐阜selvaticoの存在意義でもあります。

