SABATINI DI FIRENZE TOKYO
サバティーニ・ディ・フィレンツェ 東京店
銀座イタリアンをリードしてきた老舗がリニューアル
昔ながらのゲリドンサービスが銀座の夜を盛り上げる
「サバティーニ ディ フィレンツェ東京店」は銀座の夜を見下ろす絶好のロケーションにある。イタリア料理に関心がある人なら「サバティーニ」の名を一度は聞いたことがあるだろう。フィレンツェに本店がある「サバティーニ」は1914年の超老舗で1970年代には当時イタリアで最高峰となるミシュラン2ツ星を維持していた時代もあるほどの名門。創業当初からポール・ニューマン、アラン・ドロン、ニクソン大統領、さらにはマドンナ、スティングと世界的なVIPがその美味なる料理を求め、訪れたことでも名高い。
「サバティーニ ディ フィレンツェ東京店」は1980年にOPEN、銀座イタリアン黎明期を彩ったものの2017年のSONYビル閉館に伴い一時閉店。翌2018年に現在の場所に移転、再スタートを切った。歴史ある本店を彷彿とさせる重厚かつシックな空気感が実に心地よい。
伝統を受け継いで厨房を指揮するのは大ベテランのイタリア人シェフ、ヴィルジリオ・バルディ氏。料理も本店同様トスカーナの郷土料理をベースとしており、古き良き時代を感じさせるワゴンによるゲリドンサービスが銀座ならではの高級感を演出している。ゲストの目の前で仕上げる名物の「サバティーニ風スパゲッティ」あるいはデザートの「クレープ・シュゼット」など時代を感じさせる温故知新のイタリア料理は未来へと受け継ぐべき正真正銘のイタリア料理だ。
2023年度「パスタ未来形」では若きシェフ青柿郁弥氏がトスカーナ伝統の手打ちパスタ「ピーチ」を使った「トスカーナの伝統パスタ〜ピーチ”〜ペコリーノトスカーノと醤油麹 カサゴのフリットを添えて」を披露してくれた。ピーチとは本来南トスカーナ、シエナ周辺で作られる手打ちパスタで材料には卵を使わず小麦粉と水だけ。青柿シェフは、数多くあるパスタの中からこのうどんにも似たような触感を持つパスタに醤油を合わせた。作り手の減少により流通が少なくなっている「木桶醤油」と米麹から醤油麹を作り、古くから受け継がれてきた日本とトスカーナの伝統的な食材と合わせ、アクセントとして白身魚のフリットを添える。古来の伝統を、現代、そして未来へと継承されていく食文化をイメージした未来形パスタだった。
2024 ITALIAN WEEK 100 発酵の可能性メニュー
本鮪の赤身を約−1℃の氷水で熟成させ、シェフが鹿児島にルーツがあるので枕崎の鰹節と、乳酸発酵させたマッシュルームをパウダーにしたものと、塩レモン、発酵クリーム、イタリアの魚醤コラトゥーラを添える。直接的に塩を用いず、それぞれの食材を発酵させる際の塩のみで味を調えることで、熟成と発酵の旨味の調和を感じてもらえる一皿に仕上げました。
発酵の可能性に対するシェフの考え
元々は発酵食品が得意ではなく、妙な酸味と香りが苦手でしたが、経験を重ねて自身の味覚が広がることで発酵に興味を持つようになりました。発酵に取り組み始めたのが昨年のことで、まだまだ知識も少なく経験者の方々から見ると浅いと思われると思います。元は長期保存のための方法ですが、それぞれの土地が育んだ歴史による食文化の形成に伴って近年発展してきたと思っています。特有の新しい旨味、酸味、香りを作り出せることで幅を広げ、トライ&エラーを繰り返して自身の料理の可能性を引き上げていけるものだと感じます。
chef profile
青柿 郁弥
IKUMI AOGAKI
1993年埼玉県出身。調理師学校卒業後「株式会社カーディナル」入社。スペイン料理を経験した後、巨匠バルディ・ヴィルジリオのもと「銀座サバティーニ・ディ・フィレンツェ 東京店」で経験を積む。老朽化のため閉店後、系列店「イル・カルディナーレ」のオープニングスタッフとして配属。経験を積んだ後、リニューアルオープン後の現店舗にて腕を振るう。
INFORMATION
東京都千代田区有楽町2-2-3 ヒューリックスクエア3階[google MAP🔗]
Tel:03-6263-9390
E-mail:sabatini@miyoshi-grp.com
営業時間:平日 ランチ 11:30~(L.O. 14:00)土日祝 ランチ 11:30~(L.O. 14:30)平日・土曜日 ディナー 17:30~(L.O. 20:30)日祝 ディナー 17:30~(L.O. 20:00)
定休日:元旦、休館日
➣ 公式WEB