GIGLI
ジーリ
宮崎でしかできないイタリア料理の追求
もしもイタリアに宮崎という州があったなら?が思考の出発点
宮崎市内にある「ジーリ」オーナーシェフ外山慎氏は、自分のレストランを「良理屋」でありたいという。料理にはクオリティにこだわる地元宮崎の生産者が育む食材を使い、ワインはブドウそのものが持つ生命力を感じられるよう自然な形で醸造されたものを提供。良質な料理を出すレストラン、それが外山シェフが目指すスタイルだ。
宮崎出身の外山シェフは東京で「イル・ギオットーネ丸の内店」で笹島康弘シェフに師事し、多くの技術と知識、経験を吸収。2011年地元宮崎に「ジーリ」をOPENした。笹島シェフが常々考え、実践していたのは「もしもイタリアに京都という州があったならどんな料理になるか?」という一環した哲学だが、外山シェフもその思想を継承。「もしもイタリアに宮崎という州があったなら?」という仮定を出発点とし、肉ならば幻の黒毛和牛といわれる都萬牛、延岡よっとん豚、都城の米豚、鶏肉は黒岩土鳥、ジビエなら諸塚村の鹿や猪などいずれも宮崎産を使用。日向灘の魚介類や宮崎産野菜とともに、宮崎でしか味わえない上質なイタリア料理に具現化している。
地元宮崎でもなかなかとれないという貴重なわたりがに「トワタリカニ」はトマトとパプリカ、とうもろこしとともに冷たいガスパチョ風にしてその全身を味わい尽くす。「蜂の巣」とはトリッパとおもいきや蜜たっぷりの本物の蜂の巣。これがサクサクとした食感で白黴タイプのクレム・ドゥ・ブルゴーニュ、自家菜園のワイルドベリーとあわせる。「アオリイカ」は上質なアオリイカをゴーヤ、クレソン、オクラ、茗荷、エリンギ、サヤインゲン、万願寺などの夏野菜を自家製ジェノヴェーゼソースとともに食べる。オレンジ、レモンなどの心地よい香りと共にジェノヴェーゼの穏やかな酸味がアオリイカにとてもよくあう。「うなぎ / 牛蒡」はうなぎと牛蒡、ほうれん草にカプチーノ仕立てのミルクのスプーマとバルサミコ、山椒のソースがアクセント。「岡崎牛」とは経産牛がゴロゴロと入った男気あふれるパスタで、硬めに仕上げたキタッラの力強さにアスパラとたっぷりの黒トリュフ。「羊」は広島のあかやまどりだけと赤ワインのソース。最後の「パッションフルーツ」というデザートも素晴らしく「ジーリ」で過ごす宮崎の夜は、忘れがたい満足感と共にあっという間に更けていった。
2024 ITALIAN WEEK 100 発酵の可能性メニュー
発酵調味料の1つとして、豆醤を定期的に作っています。(水分多めで作った味噌の上澄液)豆醤は、鉄分豊富なカツオと相性が良いので周りを炙って豆醤でマリネします。この時期、脂ののっているカツオを、酸味を引き出した発酵キャベツでさっぱりと食べていただきます。宮崎日南の特産戻りカツオを飫肥杉の煙と合わせる事で、カツオの香りと相性効果をもたらしています。
発酵の可能性に対するシェフの考え
発酵は、歴史や文化的に受け継がれる保存方法ですが、近年その枠から超えて、ひとつの調理法として確立されました。発酵によって旨味、香り、酸味など複雑な表現が可能になり、味の幅や奥行きが出来ます。イタリア料理は、チーズやアンチョビなど発酵調味料が充実しています。それに加えて、日本の発酵の技術なども取り入れて行きたいと思います。又、発酵食材はワインとマリアージュしやすい事から、コース料理のプレゼンテーションにも可能性を感じています。
chef profile
外山 慎
SHIN TOYAMA
宮崎の日章学園高等学校調理科を卒業後、都内数店での修行を経て「イル・ギオットーネ 丸の内店」にてオーナーシェフ笹島康弘氏に師事し4年間修業。2011年地元宮崎で「ジーリ」を開業し独立。2015年には「RED U-35」でブロンズエッグを獲得。
INFORMATION
宮崎県宮崎市中央道3-22高野ビル1F[google MAP🔗]
Tel:0985-55-0780
E-mail:blackie1369@icloud.com
営業時間:ディナー 18:00~
定休日:不定休
※お洒落してご入店下さい