GIFT
ギフト
野菜を中心とした健康的なイタリア料理で心身ともにリフレッシュする









30品目の「インサラティッシマ・ギフト」に込められた食の喜び
2023年7月、東京タワーを望む麻布十番に誕生したのが「ギフト」だ。これは目黒にある「リナシメント」の新店舗であり「心と身体が満たされる」をコンセプトに、野菜料理を中心にしたコース料理とナチュラルワインを提供する。オーガニック野菜をメニューの中心にすえ、低脂質かつ甘さ控えめのヘルシーなイタリア料理は、これからのイタリア料理の規範となる方向性を示してくれているようだ。
コースの最初に登場する前菜は30種類の一口サイズの野菜料理を盛り合わせた「インサラティッシマ・ギフト」だ。これは「リナシメント」のファンならばよく知る「インサラティッシマ・リナシメント」をさらに進化させた料理。全ての料理は野菜中心であり、食感が楽しめるように火入れや調理法を変えてあり、野菜本来の甘味が苦味、酸味などを一口ずつ味わえるようになっている。しかもこれはシェアでなく、なんと1人前が30品目。メニューには「第一部」「第二部」とそれぞれ15品づつ記載されているので探しながら食べる楽しみがあるのだが、探し当てるのはそう簡単ではない。そこでヒントとして最初の料理である「1.山ウルイ 黄金柑 味白噌」にはハートマークがつけてある。30品目の中で唯一ハートマークがある料理は写真の中から見つけていただきたい。
次の温かい料理が「ジャガイモとタレッジョのオムレツ」でスフォルマートのような形状の中にはジャガイモとタレッジョが詰めてある。仕上げにトリュフのスライスのトッピング。「ギフト」のコンセプトである野菜を中心とした健康的なイタリア料理はパスタにおいても変わらず、野菜だけで作ってある。トマトとパプリカ、サフランのソースがベースで、アスパラとスナップエンドウ、バジルのペーストが下に敷いてあり、味の変化があるので野菜だけとはいえ満足感がある。肉料理は「蔵王高原牧場の蔵王牛の炭火焼き」上質なフィレ肉を炭火で焼き上げてシンプルにその旨味を塩やわさびマスタード、メキシコのチポトレペッパーで味わう。舞茸、赤カブ、桃のマリネにビーツのピクルスの酸味が肉によくあう。
「ギフト」のハイライトは「インサラティッシマ・ギフト」である。それはイタリア料理の存在証明であり、古き良き時代の象徴であった「アンティパスト・ミスト=前菜の盛り合わせ」の現在進行形でもある。トラットリア以外では最近あまり見かけなくなっているアンティパスト・ミストだが、本来は食べる喜びの表現形態であり、食卓に会話を生み出してくれる存在だ。ヘルシーさを重視した「インサラティッシマ・ギフト」は通常でも1時間ぐらいかけて食べるゲストが多いというが、ひとつづつ探しながら時間をかけて食べる喜びとは、イタリア料理の原点であり「インサラティッシマ・ギフト」はその喜びを再発見させてくれるのだ。
chef profile

山川 大輔
DAISUKE YAMAKAWA
1981年東京都生まれ。専門学校卒業後、地元の洋食店やフランス料理店で料理の基礎を学ぶ。2005年から「サバティーニ」のカジュアル店舗にてイタリア料理に転向。その後、都内のイタリア料理店やバルで経験を積み、イタリアンバル立ち上げも数店舗行う。2015年から「ダノイ高輪」副料理長を務め、2022年「リナシメント」副料理長。2023年7月「ギフト」料理長に就任。
INFORMATION
東京都港区麻布十番3-10-5 THE CITY 麻布十番Ⅱ CROSS 9階[google MAP🔗]
Tel:03-6435-3727
E-mail:gift@alife.tokyo
営業時間:ランチ 12:00~13:00(L.O.) ディナー 18:00~21:00(L.O.)
➣ 公式WEB