イタリアンウイーク100とは

ITALIAN WEEK 100(イタリアンウイーク100)は日本におけるイタリア料理文化の向上と普及を目的とし、東京を始め北海道から沖縄まで日本全国の各地域を代表するイタリア料理店100店舗が参加する大型レストランイベントです。第一回目は2023年11月18日(土)〜26日(日)の9日間にかけて開催され、参加各レストランでは期間限定のスペシャルコースを提供します。

パスタの未来形 Pasta for the Future

2023年度の公式テーマは、日本各地に点在する豊富な日本食材を使い、未来へと残したいパスタの創造を目指す「パスタの未来形 Pasta for the Future」です。参加各レストランが創作した期間限定パスタは、本サイトやFacebook、Instagram等の公式SNSにて公開され、人気投票が行われます。その投票結果と併せ、ITALIAN WEEK 100 審査委員会による審査のもと最優秀パスタには「ベストパスタ賞」が贈られます。

アワードと各部門表彰

ITALIAN WEEK 100 審査委員会は、イタリア本国のフードインフルエンサーや、日本国内のメディア、グルメジャーナリスト、イタリア関連団体等のイタリア料理の有識者から構成されます。「ベストパスタ賞」以外にも「ベストレストラン賞」「ネクストクライマー賞」「ベストローカル賞」など各種アワードの審査が行われ、受賞者を対象としたイベントや表彰式も開催予定です。

地方創生とフードツーリズムへの貢献

参加100店舗は高級イタリア料理店に相当するリストランテ、トラットリア、オステリアが対象となり、そのジャンルはイノベーティブからトラディショナルまで様々です。これはイタリア料理という広い共通概念のもと、たとえ表現形式は異なるとしても同じイタリア料理を志すレストランおよびシェフの料理と哲学をより多くのみなさまに知っていただき、体験していただきたいという願いが根底にあるからです。

また、対象地域は北海道から沖縄まで全地域(8エリア区分)を設定し、地方で活躍するレストラン、シェフとともに、イタリア料理を通じたフードツーリズムにも貢献します。これは近年ムーブメントとなりつつあるローカル・ガストロノミーが具現化した形態が、地方に根ざし、地方の食材をイタリア料理に昇華させたローカル・イタリアンである、と信じてやまないからであります。

本ウイークと連動して日本各地で推進されるサテライトイベントでは、地域特産食材を使った期間限定フェア、地域と地域をつなげるイタリアンコラボディナーなど、地方で活躍するレストラン、シェフとともに新たな地方創生とフードツーリズムの可能性を模索していきたいと思います。これらは11月開催本番のITALIAN WEEK 100と連動します。

ITALIAN WEEK 100 logo -現代イタリア料理人へのオマージュ

ITALIAN WEEK 100のロゴの背景には、ペインティングが隠されています。”ペンティング”と”イタリア料理”を結びつけるものは、現代イタリア料理の父と呼ばれ、1985年イタリアに史上初めてミシュラン3つ星をもたらした巨匠故グアルティエロ・マルケージの名作料理「ドリッピング」です。

コンテンポラリーアートとイタリア料理の融合という困難な題材に挑んだマルケージは、ジャクソン・ポロックやカンディンスキー、ルーチョ・フォンターナといった現代美術家の作品にインスピレーションを得て、数々の名作を世に残し、その多くが現代イタリア料理の源流となり、現在活躍するトップシェフたちに影響を与えてきました。

2016年、世界ベストラン50で史上初めてイタリア人として世界一のシェフに選ばれた「オステリア・フランチェスカーナ」のマッシモ・ボットゥーラもまたその一人です。彼は、ドリッピングの手法を踏襲し、ダミハン・ハーストの作品にインスピレーションを得た創作メニュー「ビューティフル・サイケデリック・ステーキ」を発表し、現在も彼のシグネチャーディッシュのひとつとなっています。このロゴには、こうした近現代イタリア料理史へのオマージュと、日本全国で日本の食材とイタリア料理の融合を目指して日々努力を続けるシェフたちへの敬意の念が込められています。

イタリア料理の新時代へ

ITALIAN WEEK 100を通じて、これまでイタリア料理に慣れ親しみ愛好してきた方もそうでない方も、これを機にイタリア料理店に足を運び、都市部のみならず地方で素晴らしい料理を作り続けるレストランシェフと出会うきっかけとなれば幸いです。

2023年1月
ITALIAN WEEK 100 ディレクター 池田匡克